2016年12月23日金曜日

2016 心に残った音楽作品&アルバム 声楽編


 
今年も素敵な音楽作品&アルバムにめぐり合いました。まずは声楽編から♪
●パーセル歌劇「アーサー王」(英語)クリスティ指揮
バロックオペラを愛する友人の紹介で聴いてみました。最後に王を称える合唱が恍惚とします。



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●リュリ歌劇「ベレロフォン」(仏語)ルセ指揮
リュリのオペラの中でも合唱の割合が大きく、フランス語の美しい響きに酔いました。





●ヴォーン・ウィリアムズ歌劇「天路歴程」(英語)ヒコックス指揮
英国音楽を愛する友人の紹介で聴いてみました。ジョン・バニヤンの著作「天路歴程」が原作で、英国圏では聖書の次に読まれている物語です。主人公がさまざまな困難を乗り越えて、天国の扉が開かれ、ハレルヤの合唱で迎えられるシーンがうっとりしました。
●オネゲル劇的オラトリオ「火刑台のジャンヌダルク」(仏語)スーストロ指揮
主人公のジャンヌは歌わず俳優が演じている構成がユニークなのと、野獣に裁かれる異端審問のシーンが面白かったです。フランス語もとても美しかったです。




●ブリテン歌劇「カーリュ・リヴァー」(英語)ブリテン指揮
能の「隅田川」をオペラ化した作品です。西洋楽器を使っているのですが、日本の和楽器のような響きが感じられた珍しいオペラでした。小編成のアンサンブル構成が、もともと簡素な能の原作のイメージを壊さず合っているなと思いました。4月末、NHK「古典芸能への招待」で「隅田川」を取り上げていただき能を鑑賞することができました。能とオペラ、両方を知ることができて良き年でした。
●サーリアホ歌劇「遥かなる愛」(仏語)ケント・ナガノ指揮
12世紀フランスの偉大な吟遊詩人ジョフレ・リュデルの『La Vida breve』が原作。遥かなる恋人に逢うために海を渡った主人公が航海の途中病気になり、恋人に抱かれて死ぬ悲しい恋物語です。古典の原作と現代音楽の融合がマッチしていて、色彩感のある美しいオペラでした。来年1月にMETでライブビューイングで放映されます。

 


もう聴いたことがある作品ですが、アルバムで良かったものが2つありました。
●ワーグナー歌劇「ラインの黄金」(独語)ラトル指揮
音質がクリアで臨場感があり迫力満点でした♪
●モーツァルト 歌劇「後宮からの誘拐」(独語)セガン指揮
モーツァルトのオペラに必要な活き活きとしたテンポ感があり、楽しめました。
歌曲
●ブラームス:歌曲集(フィンク/ヴィニョールス)
ドイツのリートは色々聞いてきたつもりだったのですが、ブラームスはあまり聞いた事がなかったことに気づきこのアルバムを聴きました。ブラームスの歌曲は素朴で暖かく美しいメロディーに溢れた歌曲ですね。「五月の夜」「メロディのように」がお気に入りです。
 
 
 
 
 
 
 

2016 心に残った音楽作品&アルバム 器楽編

<器楽作品>
今年は器楽作品をあまり開拓できなかったのですが、印象に残った作品をいくつか挙げてみます。
●ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ/ルトスワフスキ:スビト /パルティータ/シマノフスキ:神話(ファウスト/クピーク)
ヤナーチェクのヴァイオリンソナタは独特の響きがして印象深かったです。器楽にも彼がこだわったモラヴィア語法というものが反映されているのかしら、そんなことが気になりました。
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●1920年代のフランスのバレエ音楽(フィルハーモニア管/サイモン)
「ジャンヌの扇」いう曲がとても華やかでした。パリの情景が思い浮かぶようでした。フランス6人組の合作というのがユニークで面白かったです。








●ドビュッシー:弦楽四重奏曲/デュティユー:夜はかくの如し/ラヴェル:弦楽四重奏曲(アルカント弦楽四重奏団)
●バルトーク:弦楽四重奏曲第5番, 第6番(アルカント弦楽四重奏団)
室内楽を愛する友人に「アルカント弦楽四重奏団」を紹介していただきました。フランスの弦楽四重奏曲の繊細な響きが演奏から伝わってきてとても感動しました。バルトークは独特の響きがしてユニークでした。







●ベートーヴェンピアノソナタ集4第5番-第7番, 第15番「田園」, 第19番, 第20番, 第26番「告別」, 第30番 - 第32番(Pルイス)
今年はベートーヴェンのピアノソナタの楽譜を買っていろいろ聴いてみました。その中でも30番が大好きになりました。特に第3楽章がいろんな表情のある変化に富んだ楽章で、なおかつロマンチックな響きがして感動しました。









●武満徹:鳥は星形の庭に降りる/夢の時/星・島/オリオンとプレアデス(ワトキンス/BBCウェールズ・ナショナル管/尾高忠明)
今年は武満徹没後20周年にあたり、立花隆が執筆した武満さんの本を読んだり、武満音楽を聴きました。「鳥は星形の庭に降りる」という作品は武満さん自身のお気に入り曲であり、武満さんが好きな愛好家からの紹介曲でもあります。武満さん独特の響きと、幻想的でロマンティックな雰囲気の曲で好きになりました。
 
 
 
 

2016年12月11日日曜日

小山由美 ドイツ歌曲研修Ⅱ inびわ湖ホール

少し前になりますが、小山由美先生の「ドイツ歌曲研修Ⅱ」を聴講してきました。

 小山由美先生は、ワーグナーの歌い手として知られていますが、最初はドイツのリートを歌われていたそうです。この講座は、びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーが、まず自分の課題曲をピアノの伴奏とともに歌い、その後、先生が細かい指導をし、最後に又歌を歌うという声楽の公開レッスンです。

  私はドイツ語をはじめたばかりで、ドイツ語の発音や詩の解釈、リートの歌唱法、リートに適したピアノの演奏の仕方など、専門的な内容でわからない部分もありましたが、本で学習しているだけでは得られない貴重な指導を拝見することができました。リストの「ローレライ」とブラームスの「メロディのように」は実演で聞くと本当に綺麗な歌でうっとりしました。
 来年は、ワーグナーとヴォルフの歌曲等を取り上げるそうです。

 また改めて指導内容をまとめたものを公開します。


 びわ湖ホールは音楽教育に力を入れており、さまざまな公開講座が催されています。へんぴな場所にありますが、沼尻先生の「指揮法セミナー」など得るものが大きいです。びわ湖ホールの今後の活動に注目していただけると嬉しいです(びわ湖ホールのファンより♪https://www.biwako-hall.or.jp/

講 師:小山由美(メゾ・ソプラノ)
受講者:びわ湖ホール声楽アンサンブル・メンバー
課題曲:
【11/28(月)】
シューベルト
 ・歌曲集「美しき水車小屋の娘」より「知りたがる男」、「邪悪な色」
 ・歌曲集「冬の旅」より「菩提樹」
カール・レーヴェ
 ・詩人トム
ベートーヴェン
 ・自然における神の栄光


【11/29(火)】
メンデルスゾーン
 ・ズライカ
 ・恋人よ、打ち明けておくれ
 ・挨拶
シューマン
 ・歌曲集「詩人の恋」より「うるわしい、妙なる五月に」、「ぼくがきみの瞳を見つめると」、「ぼくは恨みはしない」
 ・歌曲集「女の愛と生涯」より
 ・歌曲集「メアリー・スチュアート女王の詩」より

【11/30(水)】
リスト
 ・ローレライ
ブラームス
 ・五月の夜
・メロディーのように
 ・私の眠りはますます浅くなり
 ・教会墓地にて
 

2016年12月10日土曜日

大音の定期演奏会 in シンフォニーホール

大音の定期演奏会に行ってきました。指揮はロッシーニの権威であるゼッダ先生で、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」とロッシーニの「スターバト・マーテル」を鑑賞しました。

 「イタリア」は女の子2人がホルンを吹いていたせいかホルンの馬力が足りないかなと思ったくらいで、全体の演奏はメリハリが利いていて満喫しました。


 「スターバト・マーテル」は最初と最後のチェロが何を表現しているのか気になりました。演奏はオペラティックな響きがしました。ソロはプロの方が歌ってくださったので聴き応えたっぷり。合唱は「悲しみの聖母」にしては生き生きと歌いすぎているかなと思いましたが、総勢100名の若者の合唱はとても力強く迫力がありました。9曲目の無伴奏合唱と10曲目の「アーメン」は実演で聴くと感動的で、お値打ちの演奏会でした。

指揮 アルベルト・ゼッダ
並河 寿美(s) 重松 みか(ms),清水 徹太郎(t),田中 勉(bs)
大阪音大管弦楽団&合唱団
メンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」
ロッシーニ「スターバト・マーテル」
in シンフォニーホール







2016年11月26日土曜日

ブログをはじめました。

今日からブログをはじめました。主にクラシック音楽の学習について投稿していきます。

<最近の音楽テーマ>
2014年
大好きなバロックオペラの検討をしました。モンテヴェルディ、カヴァッリ、リュリ、シャルパンティエ、カンプラ、ヘンデル、ラモー、等。特にフランスオペラは、内藤義博先生の「ルソーとフランスオペラ」というHPを参考に鑑賞しました。http://rousseau.web.fc2.com/

2015年
ヴェルディのオペラの検討をしました。高崎保男さんの「ヴェルディ全オペラ解説」(3部冊)を参考に作品を聴いていきました。また秋から交響曲を少しずつ聞いていき、オケの勉強のため「NHKクラシック音楽館」を観るようになりました。

2016年度
・ブリテンのオペラ
・「西洋音楽史」、「弦楽4重奏曲」、「音楽理論」の英米通信講義
・「NHKまいにちイタリア語」&「NHKまいにちドイツ語」
・イタリア古典歌曲&イタリアオペラのアリアの検討
等でとても大変でした。




今年の冬から来年にかけては、
オペラはひとまず置いておいて、ドイツ音楽を少し掘り下げていくつもりです。
ドイツのクラシック作品もたくさん聴いてきたのですが、楽譜を読んだり専門の分析書を読むなど今まで深くはしてきませんでした。でもクラシック音楽を語る上でドイツ音楽は避けて通れない道だと思って、時間をとって勉強することにしました。



具体的には、

・ベートーヴェンのピアノソナタの分析
・ベートーヴェン交響曲5、6、7、9番のスコア
・弦楽四重奏曲→リンカーンセンターのThe Chamber Music Society レクチャー講義
・ブルックナー交響曲第4番&7番のスコア
・マーラー交響曲第9番のスコア
・ドイツの有名なリートの歌詞の検討
を専門書を用いて検討するつもりです。
(ブラームスの交響曲第一番のスコアの検討も余力があればなんとか・・でも厳しいかも。)



それが終わればまた大好きなオペラの世界に戻る予定です。






どうぞよろしくお願い致します。

「古楽でめぐるヨーロッパの古都」  by 渡邉温子 2016年7月出版

 筆者はチャンバロの演奏家。旅が好きで、この本は訪れた街の古楽についての紀行文になっています。  古楽というとイタリアをまず思い浮かべるのですが、この本では、スペインやメキシコまで取り上げられているのがユニークでした。「セビリアの大聖堂」で鳴り響いていたアラオホ、モラーレス、...